松山北高校中島分校で遠隔授業を受ける生徒ら。授業中は分校の教諭1人がサポートにあたる=2024年4月30日午前11時57分、松山市中島大浦、川村貴大撮影
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 離島や山間部にある高校の生徒が、インターネットを使ったライブ配信の「遠隔授業」に参加し、単位認定を受ける試みが今年度、愛媛県立の5校で始まった。専門教員が不足する小規模校で、大学進学をめざす生徒の学習ニーズに応えるのが狙いだ。

 4月末、松山市の三津浜港からフェリーに乗って約1時間20分で、人口約2千人の離島・中島に着いた。松山北高校中島分校の教室を訪ねると、数学Cの授業が始まった。

 「3人でじゃんけんをしてください」

 ホワイトボードに映されたオンライン会議サービス「Teams」の画面の中で、分校から約27キロ離れた同市の県総合教育センター内にある「遠隔授業配信センター」にいた新海(にいのみ)孝則教諭が、教室の3年生3人に語りかけた。

 教室の前方には教諭の声を届けるスピーカーと、生徒の姿と声を捉えるカメラ、マイクが置かれている。

 じゃんけんに勝った生徒が最初の回答者に。お互いに交代しながら、「コサイン○度の値は?」といった復習のクイズを出しあった。

 正解が続き、生徒から笑顔がこぼれる。新海教諭は「ちゃんと覚えていてくれましたね」とねぎらった。

 距離もタイムラグもあるなか、生徒と教諭の間に、同じ教室内にいるのとあまり変わらない自然な会話のキャッチボールが生まれていた。

 「生徒がコミュニケーションを取ってくれないと遠隔授業は成立しません」と新海教諭は言う。

集中力低下、防ぐには

 遠隔授業では、生徒の細かい表情や手元のノートが見えない先生からすると、生徒からの反応がないと授業を理解してくれているのか不安になる。

 結果的に、同じ説明を繰り返して話が長くなり、生徒の集中力が低下してしまうという。

 それを防ぐため、新海教諭は…

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