参院法務委で、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案が可決され、起立し一礼する小泉龍司法相(中央)ら=2024年5月16日午後3時9分、岩下毅撮影

 離婚後も父母双方が親権者となる「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案が16日、参院法務委員会で賛成多数で可決された。近く参院本会議で可決、成立する見通し。施行は公布から2年以内。

 改正案では、協議離婚をする父母は、共同親権とするか単独親権とするかを話し合いで決める。一方が単独親権を主張するなど協議がまとまらない場合や裁判離婚では、家庭裁判所が判断する。一方の親に家庭内暴力(DV)の恐れがある場合や、父母が協力しあうことが難しい場合は、家裁は単独親権としなければならないと定めている。

 共同親権となった場合、進学や転居など、子どもに関わる重要なことがらは原則として父母が話し合って決める。父母間の方針が折り合わない事項については、一方の親からの請求に基づいて家裁が判断する。

 共同親権のもとでも、日々の食事などの「日常の行為」は父母の一方だけで決めることができる。また、重要な事項であっても、期間が限られている入学の手続きのように、協議をしたり、家裁に判断を求めたりする時間がない「急迫の事情」と認められれば単独で決めることができるとしている。(久保田一道)

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