最高裁が不妊手術を強いた旧優生保護法は違憲と断じた判決後、原告らが会見を開いた=2024年7月3日午後5時53分、東京都千代田区、川野由起撮影

 障害のある人たちに不妊手術を強いた旧優生保護法(1948~96年、旧法)を違憲とした最高裁判決を受け、政府が偏見や差別の根絶をめざし、共生社会の実現に向けた行動計画案をとりまとめたことがわかった。出産や子育てなど、障害のある人が希望する生活を実現できるよう、支援を強化する。政府は近く対策推進本部を開き、行動計画を決定する。

 今年7月の最高裁判決を受け、政府は全閣僚による対策推進本部を立ち上げた。岸田文雄首相(当時)は、障害のある人が希望する生活の実現に向けた支援の推進や、各省庁で行う研修や啓発の点検などを指示。これまで、旧法の訴訟の原告や様々な障害のある人からヒアリングをしてきた。

 ヒアリングでは「結婚、出産、子育てをするうえで、相談窓口や第三者の支援が必要」「(旧法下での)手術にかかわる事実や背景を伝承すべきだ」といった意見が出た。

 行動計画案には、結婚、出産、子育て支援の事例をまとめて周知することや、こども家庭センターでの相談対応などを、取り組むべき事項として盛り込んだ。公務員の幹部職員を対象に、障害当事者が講師となる研修の実施▽旧法の検証を踏まえた人権教育の教材の作成――なども挙げた。

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