
障害を持っている人が働きやすくなるよう、分身ロボットにサポートさせる試みが東京都内の自治体で広がっている。民間企業での雇用を後押しし、障害者が社会から孤立することを防ぐとともに、人手不足の解消にもつなげたい考えだ。
「本日はいい景色が見られましたか」「お帰りはこちらです」
昨年11月中旬の平日。左半身にまひがあり、都立北特別支援学校に通う鈴木祐衣菜さん(高3)の声が東京・池袋のサンシャイン60展望台(豊島区)のエレベーターホールに響いた。だが鈴木さんの姿はない。そこから2・6キロほど離れた学校の教室で、画面越しに来場者と向かい合っていた。
鈴木さんの声を出していたのは「オリィ研究所」(中央区)が開発した、手のひらサイズの遠隔操作ロボット「OriHime(オリヒメ)」。カメラやマイクを搭載しており、操作者はインターネットを通じてタブレットなどの端末を見ながら会話したり、ボタンを押してうなずくなどの反応をとったりできる。
会話にあわせてオリヒメが手…