東京電力福島第一原発の事故後の除染で出た「除染土」を全国で再生利用する事業について、国際原子力機関(IAEA)は10日、環境省によるこれまでの取り組み内容や手法がIAEAの安全基準に合致しているとの報告書をまとめた。こうした見解を踏まえ、環境省は年度内に再生利用の詳細な基準などをまとめた省令を策定する。
除染土について、政府は2045年までに福島県外で最終処分することを法律で定めている。このうち、放射性物質の濃度が1キロあたり8千ベクレル以下の危険性が低いとされる土は全国の公共事業などで再生利用する。環境省は福島県内のほか、県外でも実証事業を計画しているが、受け入れ先とされた東京都の新宿御苑や埼玉県所沢市などでは除染土の利用に反対する声が上がっていた。このため、政府の依頼でIAEAが昨年度から事業の評価を進めていた。
IAEAが10日に伊藤信太郎環境相に手渡した報告書では、再生利用における環境省の安全評価は「十分に保守的」などと言及。一方、今後事業を進める中で、環境省内で事業の実施と規制をする部署を分けるなど、規制機能の独立性を高めるべきだとする指摘もあった。
また、45年までの工程を具…