(27日、春季四国地区高校野球大会1回戦 徳島1位・阿南光5―0愛媛2位・済美)
今春の選抜大会で8強入りした阿南光は、エースの吉岡暖(はる)が済美打線を完封した。
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序盤は140キロ超の真っすぐを連投し、ほとんど変化球を投げなかった。力でねじ伏せようとしたわけではなく、「どの球種もあんまり(制球が)定まっていなかった」のだという。
だが五回、1死から三塁打を打たれると、ここから勝負球に変化球を選んだ。相手の7番打者を変化球だけで追い込むと、最後はフォークで空振り三振に。8番打者は直球で追い込んで、縦のスライダーを振らせた。
「あそこは、変化球でなんとかかわしていこうと思った。(制球が不安定でも)ピンチには慣れているので」と涼しい顔だ。
選抜の1、2回戦で連続完投し、注目の存在になった。U18(18歳以下)日本代表候補に選ばれ、強化合宿に参加。全国から集まった同学年の選手たちと過ごし、刺激を受けたという。
特に、広島・広陵のエース高尾響とは親交を深めた。足の上げ方やボールの握り方など技術論も交わした。
「初対面の人と話すのが苦手なんですけど、響が話しかけてくれて。今も連絡を取っています。(合宿に行って)収穫はあった」
この日は125球を投げ、散発4安打、9奪三振。だが、終盤にフォームが乱れ、内容には納得していないという。
28日の準決勝は香川2位の尽誠学園が相手。右腕は「この大会は無失点をテーマにやっている。このまま、最後まで無失点でいけたらいい」と意気込んだ。(松沢憲司)