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「闇バイト」の募集手口について聞く学生=2024年12月4日午前10時47分、東北福祉大学国見キャンパス、岸めぐみ撮影

 【宮城】高額な報酬をうたって強盗や特殊詐欺などの犯罪に加担させる「闇バイト」に若者が巻き込まれるのを防ごうと、東北福祉大学は4日、学生を対象に啓発の講座を開いた。

 「闇バイトから学生を守るための講座」と題し、約350人が参加した。県警の元警視、熊谷康学生支援課次長が講師を務め、「闇バイトはアルバイトではなく犯罪」と話し、SNS上のアルバイトの募集には気軽に申し込まないように注意を呼びかけた。

 闇バイトの募集は主にSNSで行われ、「即日払いのバイト」「ホワイトな高額案件」といった誘い文句が多いことを紹介し、「簡単に稼げる仕事はない」と話した。

 さらに、闇バイトは犯罪に気づいてやめようとしても、応募時の個人情報をもとに脅され、犯罪行為を続けてしまうことがあると説明。「闇バイトは犯罪組織の捨て駒にすぎない」とし、「人生を棒に振るのが怖いところ。絶対に手を出さないで」と語った。

 闇バイトに関連し、オレオレ詐欺や預貯金詐欺といった特殊詐欺の手口についても触れ、「家族にも伝えて、ぜひ被害に遭わないよう注意していただきたい」と呼びかけた。

 参加した同大1年の大野真南さん(19)は「闇バイトの募集は『高額』や『今だけ』といった人をひきつける言葉を使うことがわかったので、そういう言葉を見かけたら警戒したい」。同大1年の木下准哉さん(19)は「家族が詐欺にひっかかりそうになったことがある。自分だけでなく、家族や周りの人を守るために知識をつけることが大事だと思った」と話していた。

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