関西電力は10日、美浜原発3号機(福井県美浜町)で、冷却水を冷やす海水の配管が薄くなり、安全基準を満たせないため、原子炉を停止すると発表した。放射性物質の漏れはないという。停止後、原因を調べて補修方法を検討する。停止の時期や期間は未定としている。
同社によると、10月5日に原子炉建屋内の機器などを冷やす冷却水の熱を取るための海水系統の配管の表面に2カ所の塩の付着が見つかった。10日午前に超音波検査をしたところ、直ミリミリと3ミリの穴が見つかり、周辺の管の厚みが、安全上の技術基準の3.8ミリを下回っていたという。穴から海水がしみ出ていたとみられる。
配管は直径61センチ、厚さ12ミリで作られていたが、調査の結果、最も薄い箇所は厚み2.7ミリだった。配管内部のゴムがはがれて、海水で金属が腐食した可能性が高いという。
停止後は、配管の交換を含めて補修方法を検討する。ゴムは前回の定期検査(昨年10月~今年2月)で補修していたという。(永井啓子)