千葉ロッテから4位で指名され涙を流す関東第一の坂井遼=2024年10月24日午後6時23分、千葉県白井市冨士、佐野楓撮影

 ソフトバンクから4位指名を受けた早稲田実の内野手・宇野真仁朗は、「緊張が大きかったけれど、指名された瞬間は『よっしゃ』という気持ちになった」と喜んだ。

 高校通算64本塁打を誇る右の好打者。主将としてチームを率いた今夏の西東京大会では、低反発バットの導入を機に昨冬から使い始めた木製バットで長打を放つなど、9年ぶりの夏の甲子園出場に貢献した。

 早稲田実の先輩にあたる王貞治会長がいるソフトバンクの印象については、「層が厚く、すばらしい選手ばかりのイメージ」と語った。プロでの目標については、「ここからが新しいスタート。気が引き締まる思い。走攻守でチームの勝利に貢献できるような選手になりたい」と意気込んだ。和泉実監督も「彼なら弱音を吐かずに夢に向かって突き進んでいける」とエールを送った。(西田有里)

 関東第一の坂井遼は、野球部の寮で3年生や母の一恵さんに見守られながら、緊張した面持ちで指名を待った。午後6時半前ごろにロッテから4位で指名されると驚いた表情を見せ、目頭を何度も押さえた。「3巡目ぐらいから緊張でそわそわしていた。少し諦めかけてたところもあったけど、選ばれてうれしい」と、涙をぬぐいながら喜んだ。

 千葉県富里市出身の右腕。今夏の東東京大会では5試合17回を投げ、19奪三振。5年ぶりに出場した甲子園ではエースとして全5試合に登板し、自己最速の151キロをマークするなど好投した。

 プロ野球選手になる夢は野球を始めた頃からの願いだったという。地元・千葉のチームから指名され、「ファンの声援がとても熱い印象がある。地元の人も応援しに来てくれると思うので、1軍を目指して頑張りたい」と笑顔を見せた。目標とする投手に大リーグ・ドジャースの山本由伸を挙げ、「スピード以上のキレがあると思うので真似したい」。憧れの舞台を前に「ここがスタート地点。天狗にならずに、地道に一歩ずつやりたい。みんながから応援されて、憧れられる選手になりたい」と決意を新たにした。

 米沢貴光監督は「本人の夢に届いてとてもうれしい。彼自身の努力でつかんだこと。よく頑張った」とたたえた一方で、「こんなに考えながら指名を待ったドラフトは初めてだった」と安堵の表情を浮かべた。「プロの世界でも、更なる挑戦の気持ちをもって向かってほしい」とエールを送った。(佐野楓)

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