参院地方創生・デジタル社会形成特別委員長を辞任し、記者会見する自民党の長谷川岳氏=2024年5月29日午後4時44分、国会内、岩下毅撮影
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 長谷川岳参院議員が自治体職員らに「威圧的な言動」を繰り返した問題を契機に、道や札幌市などの自治体職員が、政策実現のために、東京に住む特定の国会議員に対して巨額の公費を投じて「ご説明」を繰り返していた実態が明らかになった。

 道の調査によると、職員の上京に費やした出張旅費は、2019年度からの5年間だけで約1億7800万円。鈴木直道知事は30日の記者会見で、「北海道の政策を前に進めるために協力をいただくことは非常に重要なことだ」とし、出張の効率性を高めるように指示したことを明らかにした。

 道は、年間最大38人の対象国会議員のうち、長谷川氏を含む5人程度の国会議員に集中的に「ご説明」を繰り返していた。道が28日に報道陣に配布した「国会議員関連出張調査」は、長谷川氏と、氏名の代わりに識別番号を割り振られた「匿名議員」との面談回数などを記した10枚の一覧表からなる。

 19年度分によると、長谷川氏との面談回数は「238回」で、そのうち道職員が特定議員1人に会うためだけの出張(1議員面談出張)も「50回」と突出していた。「(39)」という数字が割り振られた匿名議員は、1議員面談出張「2回」を含む「117回」と2番目に多く、道がこの2人を特に重視していたことがわかる。

 翌20年度も上位はおおむね…

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