金沢城二の丸御殿跡(金沢市)の発掘調査で、石川県金沢城調査研究所は10月31日、江戸時代前期の御殿の礎石や、同後期の御殿床下に設けられたくぐり抜け階段などが見つかったと発表した。
発掘調査は、金沢城公園の二の丸広場で2020年度から今年度まで進められてきた。
その結果、藩主が家臣と対面する竹の間(大広間)があった場所で、後期御殿の柱を支えた「礎石根固(ねがた)め」のすぐ近くで、前期御殿の礎石が見つかった。
また、後期御殿の遺構からは、大廊下の床下を往来できる、全長約15㍍のS字状のくぐり抜け階段も見つかった。庭や便所の掃除などに用いられたと考えられるという。
玄関跡の両脇では、笏谷石(しゃくだにいし)を用いた六角形の水受けマスも発掘された。軒で受けた雨水を集め排水していたとみられるという。
二の丸御殿は今年度から復元整備事業が始まることになっており、同研究所は「復元の根拠となる御殿の付属施設や前期御殿の遺構を確認できた」としている。
2日午後1~3時に、二の丸広場で現地説明会がある。予約不要。雨天決行。問い合わせは県公園緑地課(076・225・1774)、金沢城調査研究所(076・223・9696)。(久保智祥)