120年を超える歴史のある東京都立立川高校は、2018年度に文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)に指定されました。22年度には都内で初めて「創造理数科」が新設され、今春初めて卒業生を送り出します。同校の学びの特色や強みについて、鈴木宏治・統括校長(59)に聞きました。
【連載】高校思い出クリック~青春群像記~
高校をシリーズで紹介する企画。今回は東京都立立川高校の5回目(最終回)です。
――SSHをめざした経緯は
かつては「多摩に立高あり」といわれていました。進化を続けるためにも、もう一段違うステージに行きたいという思いがありました。また、学校としての特色を、よりはっきりさせるねらいもあったと聞いています。
生徒の能力をいかに高めるか、という学校改革の検討が進められるなか、長く取り組んできたフィールドワークをはじめとする様々な体験活動も大切にしたいとの思いから、SSH主担当の可長清美指導教諭ら探究部の教員の尽力もあり、指定に至りました。
――その特徴は
探究活動での各自の「課題研究」、沖縄などでのフィールドワークや実験実習といった「本物体験」、米国研修やタイとの交換留学など「国際性の育成」、いわゆる「教科教育」の4本柱が特徴です。
探究では教科の学習とは違い、自ら何か新しいものを見つける。そんなに簡単に「答え」は見つからないが、何とかして導き出そうとする体験こそが大事だと考えています。
――SSH指定後の変化は
「SSHだから」と入学して…