都立工芸高校の杉浦文俊校長。後ろにあるのは、定時制のねぶた造形研究部が制作したねぶた=2024年3月27日、東京都文京区本郷1丁目、本間ほのみ撮影

 工芸やデザインを専門に学ぶ都立工芸高校の学びの特徴や強みは、どのような点にあるのでしょうか。杉浦文俊校長に聞きました。

【連載】高校思い出クリック~青春群像記~

高校をシリーズで紹介する企画。今回は東京都立工芸高校の最終回です。

先生も生徒も共に育つ

 ――学校の印象は

 実は、工芸高校に来ることには、ためらいがありました。それまで私がやってきたことは、いかに速く、いかに安く、いかに同じ物をつくるか、ということ。それに対して、工芸では「答えのない課題」にアプローチしていく。価値観が違い、とまどいました。ですが、工芸祭や卒展を見て、生徒たちの力に驚きました。生徒たちを尊敬しています。

 生徒たちは、「こうありたい」というビジョンを明確に持っている。芯があります。女子が多いですが、生徒たちは性差にとらわれず、分け隔てなく過ごしています。ものづくりが好きな者同士だからでしょう。

 ――どんな学びをしていますか

 都立唯一のデザイン系の専門…

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