東京都知事の小池百合子氏(71)が、3度目の都知事選出馬を正式表明した。「国政復帰」がささやかれる中、「首都の顔」の続投を目指す道を選んだ。立憲民主党参院議員の蓮舫氏(56)との事実上の与野党対決は、結果次第では、国政にも影響が及ぶ戦いとなる。
「大臣が動かせる予算に比べて、東京都ってすごい」
「激動の時代に少子高齢化、自然災害など課題がまだ山積している。都政の発展に全力を尽くす」。12日の都議会本会議で、小池氏は3選立候補を表明した。
就任後の8年、小池氏をめぐっては常に「いつかは国政に」との観測がつきまとってきた。実際、就任2年目の2017年には、政権交代を掲げて「希望の党」を立ち上げ、衆院選に挑んだ。
その小池氏が、3度目の都知事選出馬を表明した12日、報道陣に「新型コロナが発生して1200日。全身全霊で対応に取り組んだ」と2期目を振り返った。小池氏側近は「コロナ下で施策が何もかも止まった。この間、何もできなかった」と語り、不完全燃焼とみられる小池氏の心中を代弁した。
「大臣が動かせる予算に比べて、東京都ってすごい」。ある都幹部の経験者は、小池氏のそんな言葉を覚えている。特別会計まで含めて年約16兆円という都の財政規模は、都によると、スウェーデンなどの国家予算に匹敵する。環境相や防衛相を歴任した小池氏だが、「1~2年で交代する大臣より、都知事に面白さを感じているのでは」と別の都幹部も語る。
ただ、古巣の自民が党勢低迷…