上羽場幸男さんの選挙運動用ビラ。右上に貼られているのが証紙=上羽場さん提供

 10月20日に投開票された広島県世羅町長・町議選で選挙運動用ビラに貼る証紙の説明が誤っていたなどとして、町長選で落選した上羽場幸男さん(68)が選挙無効を求めた異議申し出について、町選挙管理委員会は27日、棄却したと発表した。

 棄却決定書によると、町選管は告示前、県選管に確認した上で、ビラ作成を予定する立候補予定者7人(町長選2人、町議選5人)に対し、「両面印刷の場合は証紙を両面に(計2枚)貼る必要がある」、ビラの枚数についても「(片面印刷の場合の)上限の2分の1に制約される」と説明した。

 町選管によると、その後に両面でも証紙は1枚でよいと判明したが、告示日前には問い合わせをした一部の陣営にしか伝えなかった。告示日になって両面印刷をした全6陣営に正しい説明をしたが、両面をあきらめて片面印刷にした上羽場さんには伝えなかった。

 決定書は説明の誤りについて「選挙の規定に違反する」としたものの、当選した現職町長と上羽場さんの得票差や、誤った説明を受けた町議選候補が全員当選したことを挙げ、公職選挙法が定める「選挙の結果に異動を及ぼすおそれがある場合」には該当せず、棄却を決めたとしている。

 28日に棄却の決定書を受け取った上羽場さんは「選挙結果うんぬんではなく、行政がきちんとした仕事をしていないという点に、町民は目を向けてほしい」と話しており、県選管に審査の申し立てをする予定だ。

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