【動画】約5年半ぶりに営業を再開する道後温泉本館=佐藤慈子撮影
シャーッ、ブォン、ブォン……。地中深くからくみ上げられたお湯が配管を通っていく。
機械の音なのに、気のせいだろうか、柔らかい。
ここは松山市の道後温泉本館を見下ろす高台にある「第2分湯場」。温泉を管理する市の道後温泉事務所の設備だ。
湯量を測る透明な配管の中で、窓から漏れる明かりを受けたお湯が、わずかに光った。このお湯はいったい何年ぐらい地の底にあったのだろう。数年、いや数十年か。
「本館の浴槽で42度ぴったりになるよう、さまざまな温度の源泉をミックスして送り出すのが私の仕事です」
市の職員である「汽缶士」の須賀弘明さん(46)が説明してくれた。
「0.1度の違いでも分かる」常連さん
道後温泉の源泉は1号から2…