パラトライアスロンでパリ・パラリンピック出場を目指す秦由加子
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 パラトライアスロンの秦由加子(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・ブリヂストン)は、この春で43歳になった。スポーツ界では「ベテラン」と言われる年齢だ。

 750メートルを泳ぎ、自転車を20キロこいだ後に、5キロを走る過酷な競技。失礼だと思いつつも記者が体力面の不安を聞くと、笑顔が返ってきた。

 「心配していただいて、ありがとうございます。でも、まだまだ進化の途中なんです。楽しいですよ」

 骨肉腫の影響で、13歳の時に右ひざの上を切断した。水泳でパラリンピック出場を目指していたが、2012年ロンドン大会の出場を逃した後、トライアスロンに転向した。

 16年のリオデジャネイロ大会、21年の東京大会では、ともに6位だった。今夏のパリ大会を目指し、11日に横浜で開かれる「パラトライアスロン・ワールドシリーズ」に出場する予定だ。ワールドシリーズで得た合計ポイントでパラリンピック出場選手が決まる。

 3大会連続出場をめざす秦が「進化の途中」と感じられる理由は、東京大会後の大きな決断にあった。

 13歳の時に切断した骨の先…

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