熊本県内の鉄道2社が、運転士不足を理由に2月から相次ぎ減便する。経営不振で経費が削減され、十分な報酬を払えず新たな運転士を確保できない。減便でさらに利用者が遠のく負のスパイラルも懸念される。
肥薩おれんじ鉄道(八代市)は2月1日、ダイヤを改定して平日の運行数を53本から48本に減らす。休日も50本から48本になる。減便の理由について、同社は「人員不足が深刻となるなか、休日出勤などでダイヤを維持してきたが、退職が重なった」と説明している。
熊本電鉄(熊本市)も2月3日の改定で、平日が159本から121本に減るなど、曜日によって29~51本の大幅な減便をする。もっとも減り幅が大きい土曜日では、運行本数が約3分の2になる。
熊本電鉄の場合、この減便により朝のラッシュ時の運行間隔が15分から20分へ広がる。始発の繰り下げや終電の繰り上げもあり、利用者は不便になりそうだ。
熊本電鉄も3年前から定数を下回る運転士数での運行を続けていたが、「採用を上回る離職者が生じた」とする。通学での利用が減る2月までダイヤ改定を延ばしてきたとして、利用者への理解を求めている。