北海道新幹線の札幌延伸の開業が予定していた2030年度末から「数年」遅れる見通しだと、建設主体の鉄道・運輸機構が5月8日に国土交通省に報告した。なぜ北海道新幹線の札幌延伸はここまで遅れるのか――。新函館北斗―札幌間のルート(212キロ)はトンネルが8割を占める。工事の遅れを象徴するのが、ニセコ町の羊蹄(ようてい)トンネルだ。2021年7月、十数メートル四方に及ぶ巨大で硬い岩塊が出現、トンネルを掘り進めるシールドマシンの掘削工事は2年半停止した。マシンの刃の交換や大雪による設備の組み立ての遅れも相次ぎ、現時点で計画より4年遅れだ。厄介なことにトンネルの残り3・6キロメートルにはこれ以外に9カ所に岩塊があることが判明している。地上から穴を掘って撤去工事を進めているが、遅れは取り戻せていない。
工事阻む「新第三紀」地層
悩みの種はほかにもある。ル…