写真・図版
新潟大学農学部助教の伊藤亮司さん

 米余りを防ごうと減反が進められた日本で、今年は米不足が叫ばれた。自然に左右される米づくりにおける「適量」のあり方とは。米どころ新潟の生産現場の実情も知る、新潟大学農学部助教の伊藤亮司さんに聞いた。

コスト高に苦しむ稲作農家

 気象条件に左右されずに安定して収穫できるよう、米づくりの現場では絶えず品種改良が進められています。かつて「コシヒカリ」は寒さに強いので生産が広がりましたが、最近は暑さに強い品種も開発されています。遅く植えて遅く刈り取る「新之助」など多様な品種が登場し、リスク分散にもつながっています。

 それでも米作りは自然が相手である以上、不作による需給バランスの乱れは起き得ます。そんな時も米不足になるのを防ぐには、常に多めに生産するしかありません。

 でも、そうすると大半の年は…

共有