火災現場を調べる警察官ら=2024年12月19日午前10時29分、千葉県柏市、友永翔大撮影

 千葉県柏市高柳の住宅敷地内で18日夕、住人の渡来敏明さん(59)と妻の礼子さん(59)が刺殺され、ほぼ同時刻に近くの住宅8棟が全焼した事件をめぐり、県警が公務執行妨害の疑いで逮捕した住居・職業不詳の酒巻馨容疑者(77)とみられる人物が出火当時、現場付近で住宅に放火して車で走り去る姿を目撃されていたことが20日、捜査関係者への取材でわかった。酒巻容疑者は19日夜、下半身などのやけどの治療のため釈放されて入院中で、県警は回復を待って、殺人と放火の両事件についても関連を調べる。

 県警によると、酒巻容疑者は全焼した住宅の一つに住んでいたが、火災直後から連絡が取れなくなっていた。県警は目撃情報などから現住建造物等放火の疑いで酒巻容疑者の逮捕状を取って行方を捜索。19日午後5時半ごろ、同県印西市のあぜ道に「朝から不審な車がエンジンをつけたまま止まっている」と通報があり、止まっていた黒い乗用車が、火災現場から逃走した車と似ていたことなどから、運転席にいた酒巻容疑者を職務質問すると、捜査員の警察手帳を見て車を急発進させた。車のナンバープレートは一部がテープで隠されていたという。

 捜査関係者によると、夫妻と酒巻容疑者は知人関係で、金銭トラブルを抱えていた。県警は酒巻容疑者が夫妻が死亡した経緯についても知っているとみて事情を聴く。

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