
世界自然遺産・白神山地に近い青森県西目屋村の道の駅「津軽白神」に設けられた雪室(ゆきむろ)で、1月末から熟成させていたリンゴが4日、掘り出された。異例の大雪に見舞われた津軽地方。その分、雪の確保には困らず、「天然の冷蔵庫」で貯蔵されたリンゴは甘みが増し、仕上がりは良い。
道の駅駐車場に積み上げられた高さ約10メートルの雪の山から、除雪車や人の手でリンゴを掘り出した。道の駅を運営する公社の角田克彦事務局長は試食すると、「これまでで一番の仕上がり。酸味もまろやかで、甘みが引き立っている」と笑みを浮かべた。
雪室で貯蔵された野菜や果物は、寒さに耐えるため糖分などを生成するため、甘みが増す。この道の駅での雪中貯蔵は15年前、雹(ひょう)で傷付いたリンゴに付加価値をつけようと始めた。逆境に負けない、雪国の知恵だ。取り出した県産のサンふじ約1万個は、道の駅や地元スーパーで「白神雪ん子りんご」として販売する。