高校野球で春夏合わせて23回甲子園に導いた近江高校(滋賀県彦根市)の多賀章仁監督(65)が来春退任することが27日、わかった。定年が理由だという。
関係者によると、多賀監督は来年3月末で退任し、総監督に就く。後任には、コーチの小森博之さんが就任する。小森さんは近江が2001年の夏の甲子園で準優勝したときに主将を務めた。
多賀監督は1959年生まれで彦根市出身。平安高校(現・龍谷大平安)と龍谷大でプレーし、89年に近江の監督に就任。夏16回、春7回、チームを甲子園に導き、夏春1回ずつ準優勝を果たした。攻守ともに手堅い「近江野球」を築き、滋賀を代表する強豪に育てた。
2023年には、高校野球の育成と発展に功績があった指導者に贈られる「育成功労賞」を受賞。近畿で唯一、春夏通して甲子園で優勝経験がない滋賀県だが、「(甲子園で優勝するための)土台はつくれたかな、と思っている」と話していた。
昨年夏の滋賀大会を制して、コロナ禍による中止を挟み5連覇した。昨夏、今春と甲子園に出場したがいずれも初戦敗退し、今年夏の滋賀大会、秋の県大会はいずれも準決勝で敗れていた。