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農林中央金庫の本店=東京・大手町

 欧米債の下落で農林中央金庫が巨額損失を出した問題で、所管する農林水産省は原因や対応策を検討する有識者会議を設け、27日に初会合を開いた。有価証券の運用に頼る経営からの脱却が焦点だが、基盤となる農林水産業の衰退が続くなかでは、実現は容易でない。

 有識者会議は、農家や食品産業、証券業界、学会から7人の委員を選んだ。農水省は年内にも農中への助言をまとめ、制度改正を進めていく。この日の会議の冒頭で、杉中淳経営局長は、「将来に向けて資産運用を分析し、課題を明らかにする」と話した。

 農中は、金利上昇で保有する欧米の国債などの債券価格が下落し、6月時点で1.8兆円の評価損を抱えた。一方、3メガバンクはこの間も好調な収益を続けている。

 このため、委員からは、資産…

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