連載 混迷を歩く アメリカ大統領選2024:ヒスパニック編②

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米ウィスコンシン州ミルウォーキーで2024年7月、共和党大会で「今すぐ(移民の)大規模な強制送還を」と書かれたボードを掲げる参加者ら=ロイター

 米ニューヨーク・マンハッタンから地下鉄で15分ほど。イースト川の対岸にあるクイーンズ地区は、マンハッタンと比べると家賃が安く、中南米やアフリカ、インドなど世界各地から来た移民が住んでいる。

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 9月中旬、クイーンズにある46丁目駅の周辺を歩いた。スペイン語圏にルーツを持つヒスパニック系住民の店舗が多いエリアだ。

 「この2~3年で、治安が極度に悪化した。不法移民のせいでしかない」

 理髪店を営むニノ・テレスさん(68)は、そう憤る。

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自身が営む床屋の前に立つ、コロンビア出身のニノ・テレスさん=2024年9月14日午後、米ニューヨーク、軽部理人撮影

トランプ氏の移民政策に期待

 テレスさんによると、隣近所では今年に入って店舗強盗が相次いだ。テレスさん自身、4月の夜に店の前でナイフを持った男に現金200ドル(約3万円)を奪われた。男はスペイン語を話していた。

 ニューヨークには、ビザを持たずメキシコ経由で米国に入った越境者が滞在するシェルターが複数ある。すぐ近くのホテルも現在、シェルターとして使われている。

 「不法移民が次々にやって来て、正規の職を得られず犯罪に走るのは必然だ。米国に住みたいなら、合法的に来て、真っ当な仕事に就けと言いたい」

 テレスさん自身、貧困から抜…

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