ハッカズークCEOの鈴木仁志さん=2024年4月22日午後4時44分、東京都新宿区

 かつて、いったん就職した会社を辞めることに何か後ろめたい感じを持つ人もいた。でも、いまや転職は当たり前。正社員で働く人のうち、半数が転職経験者との調査もある。最初から転職を視野に入れて就職活動する若者も増えている。「辞め方改革」をかかげて起業した「ハッカズーク」のCEOに聞いた。退職者は、会社の「裏切り者」ですか。

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 「会社が勝手に『社員は長く働いてくれるはずだ』と期待しているだけ。退職者を『裏切り者』ではなく、貴重な『資産』だととらえてほしい」。CEOの鈴木仁志さん(44)はそう話す。

 同じ会社を定年前に退職した人たちをつなぐクラウドサービス「オフィシャル・アルムナイ・ドットコム」を運営している。

 「アルムナイ」は「卒業生・同窓生」を表す言葉で、もともとは大学などで使われてきた。かつての「OB・OG」に近い。働き方の多様化や転職の増加といった労働環境の変化を背景に、会社を退職した人たちを「コーポレート・アルムナイ」と呼ぶ動きがある。

「アルムナイは会社のファンです」

 このサービスでは、会社がア…

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