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今季最終戦で逆転賞金王に輝いた金谷拓実=2024年11月10日、静岡・御殿場CC、平田瑛美撮影
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 アマチュア時代、金谷拓実は数々の最年少記録を塗り替えた。

 広島国際学院高2年時に日本アマ選手権を当時史上最年少で優勝。東北福祉大では国際大会も制し、世界アマランクトップまで上り詰めた。

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 プロ実質2年目の2022年、主戦場を海外に移した。だが、予選落ちを繰り返した。その傍らでは、アマ時代にしのぎを削った海外選手たちが活躍していた。

 「『今週の目標は?』と聞かれたら優勝しかないのに、海外では言えない。自信がないから。悔しくてたまらなかった」

 国内に足場を戻してからも、海外でプレーする自分の姿を常に思い浮かべてきた。「国内ならお金を稼ぐことはできるかもしれない。でも、そこにとどまる自分でいたくない」。高みをめざし続ける、アスリートとしての矜持(きょうじ)を感じた。

 初の賞金王に輝いたことで、来季は海外大会の出場権が増える。

 国内ツアーに戻った2023年春、自宅の壁に9×9、81マスの目標シートを貼り、中心に「2025年海外メジャー優勝」と書いた。

 再挑戦への舞台は整った。

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