三菱UFJ銀行の元行員が都内支店の貸金庫から多額にのぼる顧客の資産を盗んだ事件を受けて、半沢淳一頭取は16日に記者会見を開き、「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす事案であり、関係者に心よりおわびする」と謝罪した。元行員は貸金庫管理業務を一人で担い、予備鍵を使って開けていたとして、管理体制に不備があったことを認めた。
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同行は被害額が時価で十数億円にのぼるとし、支店勤務で貸金庫の管理責任者だった40代女性のこの行員を懲戒解雇している。会見で説明をするのは、11月に問題が発覚してから初めて。会見を開くまでに1カ月近くかかった理由については、顧客対応策に目処がついたためと説明した。
同行によると、金庫の開閉に必要な鍵は顧客用と銀行用の2種類あり、顧客用の一つは正鍵として顧客が持ち、もう一つの予備鍵は顧客の届け印で封印して銀行側が保管する。予備鍵を保管する箱は元行員が一人で管理しており、予備鍵の封印を破って貸金庫を無断で開けていた。
不正を防止する対策はずさん…