政府は17日の経済財政諮問会議で、財政健全化の指標となる基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)について、2025年度は国と地方をあわせて4.5兆円の赤字になるとの試算を示した。政府は同年度の黒字化をめざしているが、達成は厳しい情勢となった。財政規律はゆるんだままで、健全化に向けた政府の本気度が改めて問われる。

 PBは、公共事業や社会保障、教育といった行政サービスの経費を、主に税収でまかなえているかを示す指標。赤字だと国債を発行するなど借金をして補わなければならない。23年度の借金の残高は国内総生産(GDP)の2倍超の約1200兆円にふくらんでおり、先進国では突出して悪い状態とされる。

 政府はもともと10年代初頭の黒字化を掲げていたが、実現のめどが立たず、期限の先延ばしを重ねてきた。ただ、昨年7月の前回試算では、いまの期限である25年度に0.8兆円の黒字になり、目標を果たせるとみていた。

 それが一転して赤字見通しに…

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