今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の策定に向け、政府は23日に開いた経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制策を議論した。政府は財政試算を前提に医療や介護費用の削減を掲げるが、「痛み」は避けられず、実現は容易ではなさそうだ。
会議で岸田文雄首相は「効率的で強靱(きょうじん)な社会保障制度の構築が重要」と言及。民間議員からは、医療費の適正化に向けた地域差の是正や、介護保険サービスの2割負担対象者の拡大などが提言された。
議論の前提となるのが内閣府が4月に試算した2060年度の財政の姿だ。高齢化などで、医療・介護の費用が経済成長率を上回る伸び方で膨らむと想定。その影響で国・地方の財政が悪化し、特に団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)が85歳以上になる60年度ごろが問題になるとされた。
医療、介護の効率化継続が条件
試算では、国内総生産(GD…