加藤勝信財務相は15日、日本記者クラブで会見し、SNS上などで財務省への批判が相次ぐ背景について、「努力してもこの時代、どうにもならないという思い」があるとの考えを示した。
所得税がかかる年収の最低ライン「103万円」の引き上げをめぐっては、財務省が対応に後ろ向きだなどとして、昨年からSNS上などで批判が目立っている。この背景について、加藤氏は「税金をかけられ、社会保険料を取られ、かといって自分の将来に展望が開けないという思い」の存在を指摘し、「我々がしっかり受け止める必要がある」と述べた。
その上で、「賃金や所得が上がっていく状況をつくり出すことで、自分の思うことを展開していける環境が生まれる」と説明。「生活が豊かさを増していく実感を持てる環境をつくる」として、賃上げなどを実現するための政策に取り組むと強調した。