【動画】能登の大雨で安否不明となった石川県輪島市の中学生の父親が取材に応じた=金居達朗撮影

写真・図版
大雨で増水した川に流されたとみられる喜三翼音さんと特徴の似た遺体が福井県沖で発見され、涙をこらえながら記者の質問に答える父の鷹也さん=2024年10月1日午後4時50分、石川県輪島市、金居達朗撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 福井県坂井市三国町の沖合で女性の遺体が発見された。ズボンのタグには「喜三」の文字。能登の大雨で安否不明となった石川県輪島市の中学3年、喜三翼音(きそはのん)さん(14)の父親が1日、衣服の写真を確認し、「僕があげた服だ」と語った。

 豪雨に見舞われた9月21日朝。翼音さんは同市久手川町(ふてがわまち)の自宅に1人でいた。父の鷹也さん(42)は大雨を心配し、仕事先から連絡した。翼音さんは「外が海みたいになってる」と告げた。土石流で路面は見えず、家の扉も開かなかった。

 鷹也さんはビデオ通話で伝えた。「長袖、長ズボンを着て」。万々が一、水で流されたときに、けがが少ないように。

 その後、連絡がとれなくなった。

 午後1時半ごろ、鷹也さんが迂回(うかい)を重ねてたどりついた自宅は、基礎しか残されていなかった。

 周辺では消防や自衛隊だけでなく、鷹也さんやその友人らが捜索にあたった。

 親族はおにぎりを握り、コーヒーを出して活動を支えた。翼音さんの友人らも続々と訪れ、様子を見守った。

 クッション、靴、水筒、バッグ、ペン。翼音さんの体温を感じるものが、次々と下流で見つかった。

 30日夕方、約150キロ離れた福井沖で、女性の遺体が見つかった。

 10月1日、連絡を受けた鷹…

共有