アゼルバイジャンで開催された国連気候変動会議(COP29)は近年のCOPに比べ、序盤から勢いを欠いた。

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深夜に始まったCOP29の全体会合に参加する各国・地域の政府代表団ら=2024年11月24日、バクー、市野塊撮影

 「それは神の恵みだ」。同国のアリエフ大統領は2日目の演説で、化石燃料をそう表現した。脱化石燃料を話し合う会議の場でのこの発言がさっそく各国の反発を買った。

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 さらにアリエフ氏は、別の日にも仏領ニューカレドニアであった暴動へのフランスの対応を非難。パリ協定採択時の議長国フランスが抗議のために大臣のCOP29への参加を見送る異例の事態となった。

 もともと、石油やガスの産油国であるアゼルバイジャンが、脱化石燃料を議論するCOPの議長国を務めることを不安視する声があった。さらに「(1991年の)独立以来、最大のイベント」(イスマイルザーデ駐日大使)とされるほど、大きな国際会議を開催する経験も乏しい国だった。

昨年のCOP28と比べてみると

 昨年とは対照的だった。アラ…

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