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警察官の仲介で、だまされずに済んだと思った女性。直後にかかってきた警察官だという電話は、うそだった。
兵庫県警灘署は28日、神戸市灘区内に住む女性(74)が現金約97万円をだまし取られる詐欺にあったと発表した。
女性は2月27日午後2時ごろ、区役所職員を名乗る男から「医療費の給付金がある」との電話を受けた。
金融機関のATMで、相手に指示されるまま操作していたところを灘署員が発見。女性に事情を聞き、電話はうそだとわかった。
電話を切ったのは署員だった。
次にかかってきても電話に出ないように署員は女性宅までついていき、防犯指導も行った。
その約1時間半後だった。
先ほど指導をした警察官だという男から「昼間に手続きを止めたが、区役所や銀行に確認すると詐欺ではなかった」という趣旨の電話がかかってきた。そして、指示されるままATMから送金してしまったという。
署は、犯人が電話口で女性と警察官が話していることに気づき、その警察官だとだまして再度、女性に現金を振り込ませた、とみている。
電話がかかってきても、冷静な対応を呼びかけている。「電話に出てしまうと優しい口調にだまされやすい。電話に出ずに留守電にして誰からなのか確認することを徹底してほしい」と訴える。