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経済財政諮問会議で発言する石破茂首相(手前)=2024年11月1日午後5時52分、首相官邸、岩下毅撮影
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 石破茂首相は1日の経済財政諮問会議で、専門家らを入れて賃上げ策を練る「特別会合」を開く方針を明らかにした。複数回を予定し、初回は年内を見込む。物価高を上回る大幅な賃上げを定着させるため、働き手の学び直し(リスキリング)や中小企業の経営改善を促す施策づくりを急ぐ。

 諮問会議は、メンバーの民間有識者から意見を聞いて経済政策の方向性を固めるもの。首相による締めくくりのあいさつは報道陣に公開される。この日、石破政権では初めて開き、首相が掲げる「日本創生」や、近くまとめる総合経済対策などを議論した。民間有識者らは、女性の活躍を妨げる「年収の壁」の見直しや、人件費の販売価格への適切な転嫁などの施策を通して、賃金が上がりやすい環境を整えるべきだとの意見を示した。首相は「物価上昇を上回る賃金の増加を定着させていく」と述べ、メンバー以外の有識者も入れた特別会合をすることを表明した。

 また、最低賃金を2020年代に全国平均で1500円に引き上げるための具体策については、政府・労働組合・経済界の代表が集まる「政労使会議」と、この特別会合の両方で練る方針だ。衆院選での大敗で少数与党となったことで、野党が同調しやすい政策を先行させる。新政権として実績を早めに示したい思惑もあるとみられる。

 諮問会議のメンバーの民間有…

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