写真・図版
パレスチナへの攻撃に抗議するため、東京大学の構内にテントをはり、泊まり込んでいる学生たち=2024年8月1日、小川尭洋撮影

 非常戒厳に対する韓国市民の大規模なデモが注目された2024年。多くの人が集まるデモは、私たちの声を届ける大事な行動ですが、それだけではない、様々な形の「声の上げ方」があります。集まって静かに反戦や連帯の思いを示す、1人街頭に立ってみる、反戦の缶バッジをリュックサックにつける――。記者が見た、24年の三つの風景です。

「紙を掲げるだけだっていい」

 【7月】「私たちはそれぞれがフィルターバブル(偏った情報)の中にいる。だからこそ、リアルな世界に出ようと思った」

 東京都内の大学院生、大室恵美さんはそう話す。この夏、都知事選を前に10回ほど、1人で、時に知人と街頭に立った。

 候補者の蓮舫氏を支持してい…

共有