「生きる」「二十億光年の孤独」など、易しくも大胆な言語感覚で幅広い世代に愛された、戦後現代詩を代表する詩人の谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)さんが13日、亡くなった。92歳だった。
1931年、哲学者・谷川徹三の長男として東京で生まれた。16歳から詩作を始める。52年に第1詩集「二十億光年の孤独」を刊行してデビュー。宇宙の壮大さを後景に個人の内面をとらえた新鮮な表現が注目された。53年に詩誌「櫂(かい)」の同人となり、茨木のり子や大岡信らと共に活動した。
散文で世界を正確にとらえようとした作品集「定義」(75年)や、日常会話で身近な風景を描く「夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった」(同)、詩や言葉を見つめ直した「世間知ラズ」(93年、萩原朔太郎賞)などで詩の領域を広げ、日本語の可能性を極めた。
詩壇で高く評価された一方…