宇都宮市内をさっそうと走る次世代型路面電車(LRT)は、開業してまだ1年4カ月だというのに、「延伸して東武宇都宮線につなげよう」という話がかまびすしい。600万人超を乗せ、順風満帆に走り出したLRTだが、実は「乗り入れ」は開業前から想定されていた。

宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT)=2024年8月25日、宇都宮市、石原剛文撮影

 2017年5月、佐藤栄一市長に提出された報告書がある。経済界を代表し、栃木県商工会議所連合会長を会長とする県LRT研究会と、宇都宮商工会議所の東西基幹公共交通整備特別委員会がまとめた。

 「LRTのJR宇都宮駅西側延伸の必要性」を論点として掲げ、東武宇都宮駅と早急につなぎ、将来的にはJR鹿沼駅と結ぶ案も提起した。

 市も乗り入れについては経済界と同じ方向を見ながら、設計段階からレールの幅をJRや東武と同じにしてあった。佐藤市長は24年11月の市長選で、「乗り入れを見越してLRTの軌道幅を東武、JRに合わせた。将来考えていきたい」と訴えた。

 延伸の話は、宇都宮駅から東側の終点、芳賀町にもある。

 町は24年4月に始まった「…

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