来年4月の開幕が近づく大阪・関西万博。関係者は、半年間の開催期間中に約2820万人、うち訪日客は約350万人の来場を見込んでいる。日本を楽しもうとする外国人客に関し、夜間の経済活動を意味する「ナイトタイムエコノミー」のニーズを取り込もうという試みが目立ってきた。
「この日本酒、めちゃくちゃおいしい!」
10月上旬、大阪屈指の繁華街「ミナミ」の立ち飲み屋。地元客らでにぎわう店内に、通訳ガイドを通じて頼んだ日本酒と漬物を楽しむ米国からの観光客の姿があった。
フロリダ州から訪れたという男性は「普通のツアーでは入れないローカルな店に行ってみたかった」と、夜間でも通訳付きで案内してくれる大阪メトロのグループ会社「大阪メトロアドエラ」(大阪市)のツアーサービスをSNSで当日予約した。現地では店員と日本酒の銘柄について話し、ご満悦の様子。酒を飲み干すと、「はしご酒」へと夜のミナミの街に消えていった。
大阪観光局が2017年に発表した調査によると、外国人観光客は日本人観光客に比べ、午後10時~午前0時の活動が大幅に減少していた。「言語の壁」などが障壁となり、夜はホテルで過ごすケースが多いとみられる。
こうしたなか、アドエラ社が…