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Mリーガー、解説者、ユーチューバー――。僕は何者なのか。
「昔とはだいぶ思考が変わりました。自分の中でプレーヤー100%だったのが、Mリーグに入ってから配信者の割合が大きくなりました」
Mリーグのサクラナイツ・渋川難波(38)は言う。
いまはどのくらいですか? 問いかけると「いやー、難しいですけど……」と3秒止まり、うなずいて続けた。
「いまMリーガーと配信者のどちらかだけを選べと言われたら、配信者の道を選ぶと思います」
渋川は、2021年にYouTubeチャンネル「渋川式 麻雀(マージャン)通信」を立ち上げ、試合後の検討配信や初中級者に向けた麻雀の思考法などを動画で投稿してきた。
いまの職業はMリーガー兼ユーチューバー。
先を走っていたサクラナイツ・堀慎吾(40)とアベマズ・多井隆晴(52)の2人が切り開いた道を追いかけて、たどり着いた。
◇
渋川が最初にMリーグの舞台に足を踏み入れたのは、解説者としてだった。
20、21年にはMリーグの公式解説を任された。選手たちの思考を視聴者に寄り添って優しく伝える姿に定評があった。
エンターテインメント性の高いMリーグの舞台はきらきらと輝いて、「別世界」のように見えていた。
やりがいはあった。でも選手として立つ姿は、想像できなかった。
20年7月27日、新シーズンからMリーグに加入する選手が決まる日。感覚が大きく塗りかわった。
「え、そんなことあるんだ」
解説者からMリーガーになり、ユーチューバーへ。渋川難波のチャンネル登録者数はついに10万人を超えた。堀慎吾を追いかけ、多井隆晴に学んだ渋川は、得てきたものを生かして新たな道を進んでいる。
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