京都大学教授 小野沢透氏
民主党のバイデン政権による中東政策を批判してきたトランプ前大統領が、再び米大統領に就任します。ガザでの紛争は終結に向かうのでしょうか。イランや中東各国とどのように向き合っていくのでしょう。歴史学者で、米国の中東政策を研究する小野沢透・京都大学教授に聞きました。
――イスラエルとガザの紛争など、中東情勢は動乱が続きます。第2次トランプ政権の中東政策はどうなりますか。
「トランプ前大統領は『ガザでの戦争を早期に終わらせるべきだ』と選挙中から発言してきました。しかし、実際にどう戦争を終わらせるのかという道筋は示していません。当選後もトランプ氏や周辺は中東について多くを語っておらず、第2次政権がどのような中東政策を遂行するのか、予断を持つべきではありません」
イスラエルと米国の「特別な関係」
――米国はイスラエルに強く配慮しているように見えます。
「米国は国際社会からの非難を受けることがあっても、イスラエルを支持し続けてきました。米国とイスラエルは条約に基づく正規の同盟関係にはありませんが、『特別な関係』です」
「ほかの実質的な同盟関係に…