与党税制協議会の初会合であいさつする自民党の宮沢洋一税調会長(右端)。右から2人目は公明党の赤羽一嘉税調会長=2024年11月14日午前11時52分、国会内、岩下毅撮影

 年末に向けた税制改正の議論が、与党と国民民主党の間で本格化する。焦点の一つになりそうなのが、学生アルバイトが直面する「年収の壁」の見直しだ。いまは年収103万円を超えると親の扶養を外れ、親の手取りが減少するという壁がある。扶養の対象を決める基準額を引き上げる方向で検討に入る見通しだ。

 扶養とは、自分の収入だけでは生活できない親族を経済的に支援すること。子どもや親を扶養する納税者を助けるために「扶養控除」という減税のしくみがある。子どもが大学生の年代にあたる19~22歳なら「特定扶養控除」の対象になり、所得税を算定する親の収入から63万円差し引ける。

 いまは法律で、扶養の対象になる親族の年収が「103万円以下」と定められている。だが、最低賃金などの上昇で、学生アルバイトの年収が103万円に達しやすくなり、「親にこれ以上バイトを増やさないように」と止められるといった悩みが大きくなってきた。

 国民民主は大規模な所得減税…

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