衆院本会議で討論に臨む立憲民主党の西村智奈美氏=2024年6月6日午後1時11分、岩下毅撮影

 自民が提出した政治資金規正法改正案は衆院を通過したが、政治改革特別委員会での審議時間はわずか13時間5分だった。自民と野党第1党の立憲民主党を中心に「令和の政治改革」に向けて与野党の合意を探る動きは乏しく、国会の熟議は置き去りとなった。

 6日の衆院本会議。共産党の塩川鉄也氏は反対討論の冒頭で、「わずかな質疑時間、拙速な審議で採決したことは重大。このような暴挙に強く抗議する」と訴えた。

 与野党の改正案が出そろい、政治改革特別委で審議入りしたのは5月22日。自民が公明党や日本維新の会とのドタバタの協議を経て修正案を提出した6月5日、特別委で即日採決が行われた。審議時間は13時間5分。リクルート事件などを受けた30年前の「平成の政治改革」で、内閣提出法案の委員会審議が96時間20分だったことと比べると7分の1以下だ。

 連日、批判にさらされる岸田政権は「とにかく早く国会を閉じること」(首相官邸幹部)を目指し、改正案の衆院通過を急いだ。立憲は自民の改正案を「抜け道だらけ」「弥縫(びほう)策」などと批判しつつ、自民提案の採決日程には応じた。

 「スピード通過」を許した立…

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