奉納された風神雷神図の前に立つ(左から)西陣織工業組合の小平真滋郎理事長、臨済宗建仁寺派の小堀泰巖管長、西陣織伝統工芸士の平野喜久夫さん=2025年3月14日午前11時2分、京都市東山区、新井義顕撮影

 江戸時代に活躍した画家・俵屋宗達の代表作「風神雷神図屛風(びょうぶ)」(国宝)を西陣織の高度な技術で再現した作品の掛け軸が、建仁寺(京都市東山区)に寄贈された。14日、寺で奉納式典があった。4月下旬から寺で一般公開する予定という。

奉納された風神雷神図と、(左から)臨済宗建仁寺派の小堀泰巖管長、西陣織工業組合の小平真滋郎理事長、風神を製織した西陣織伝統工芸士の平野喜久夫さん=2025年3月14日午前11時、京都市東山区、新井義顕撮影

 屛風は建仁寺が所蔵する。掛け軸は二つあり、それぞれ縦192センチ、横197センチ。宗達の流派・琳派(りんぱ)の誕生400年を記念して、西陣織工業組合が制作した。のこぎりのようにギザギザにした爪で横糸を一本一本かき寄せて織り上げる「西陣爪搔本綴織(つめかきほんつづれおり)」という伝統の技法で2014年に織り上がった。

1日に1センチ四方しか織り進めなかったという雲の部分を示す、風神を製織した西陣織伝統工芸士の平野喜久夫さん。雲の濃淡をグラデーションで表現するのが難しかったという=2025年3月14日午前11時4分、京都市東山区、新井義顕撮影

 臨済宗建仁寺派の小堀泰巖(たいがん)管長は「日本文化の素晴らしさを感じ取っていただけるのではないかと思います」と話した。

西陣織の高度な技術で再現された「風神雷神図屛風(びょうぶ)」=2025年3月14日午前9時40分、京都市東山区、新井義顕撮影
奉納された風神雷神図。臨済宗建仁寺派の小堀泰巖管長(左)に目録を手渡す西陣織工業組合の小平真滋郎理事長=2025年3月14日午前10時16分、京都市東山区、新井義顕撮影

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