写真・図版
青野洸夢さん(左)と高校時代の恩師、新岡昌幸教諭=2023年9月29日、北海道恵庭市、上保晃平撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 定員割れしているにもかかわらず、公立高入試で不合格になる「定員内不合格」。複数回涙したのち合格を手にした生徒たちは、それぞれのペースで学び、高校生活を楽しんでいる。

  • 【関連】定員割れの公立高、延べ2千人が不合格 詳細答えぬ校長と荒れた息子

4回目の受験で合格 母親「互いに互いを理解して」

 「学校は楽しい。給食のカレーライスもおいしいし」。3回の定員内不合格を乗り越え、昨秋から千葉県立高校の定時制に通う2年の男子生徒はそう話す。

 午後5時過ぎから午後9時の授業では、県庁所在地を特産品とひもづけて覚えたり、体育の授業でサッカーをしたり。6月の授業参観では国語の授業でタブレット端末を使いこなし、母親を驚かせた。

 母親は「高校に通い出してから顔つきが大人っぽく変わった。自分に自信を持てたように見える」と話す。

 ダウン症で知的障害がある。小中学校は近くの公立校の普通学級に通った。歴史好きで、愛読書は「まんが日本の歴史」。中学では陸上部に入り、大会にも出た。

 仲良しの同級生と一緒に、自分も高校生になりたい――。周囲と同じ進学希望は、しかし、一筋縄ではいかなかった。

 中学2年の夏ごろから入試の…

共有