9月の自民党総裁選で、裏金問題に関与した国会議員に対する選挙公認の是非が主要な争点として浮上した。石破茂元幹事長(67)=無派閥=らが党の処分を受けた議員を公認しない可能性に言及する一方で、小林鷹之前経済安全保障担当相(49)=二階派=は非公認には慎重な姿勢を示す。候補者は世論と党内状況の双方を踏まえ、対応を決めることになる。

 総裁選への出馬を24日に正式表明した石破氏は25日、鳥取県倉吉市で記者団の取材に対し、裏金問題で処分された安倍派議員らについて「党として公認するからには、やっぱりふさわしい方である必要がある」と強調した。「国民の審判を受けるにふさわしい候補者か、党として責任を持つ」と非公認の可能性に踏み込んだ24日と同じ趣旨の発言を重ねた。

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記者団の前で、自民党総裁選に立候補する意向を正式に表明した石破茂元幹事長=2024年8月24日午前、鳥取県八頭町、森岡航平撮影

 野田聖子元総務相(63)=無派閥=も24日に地元の岐阜市であった講演で、「(裏金)不記載の人たちは自分の力で(選挙を)勝っていきませんか」と述べ、裏金問題に関与した議員は次の衆参選挙に無所属で臨むべきだという考えを示した。25日にも記者団に「自ら(国会の)政治倫理審査会に出ること。そして、何らかの形で(裏金を)返金して初めて党として公認するかどうかという判断になる」と語った。

 両氏の念頭には、小林氏が出馬会見に、組織的な裏金づくりが発覚した安倍派の11人を同席させ、党内外から批判を浴びたことがある。小林氏は、安倍派の役職起用の再開も求めている。

 当の小林氏は24日、金沢市で記者団に対し、公認の是非について「ルールにのっとって適切に判断する」と述べるにとどめた。

 石破、野田両氏には、30日…

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