集会で再審公判への思いを語った前川彰司さん。袴田巌さんの帽子をかぶって登壇した=2025年1月25日午後、静岡市清水区、荻原千明撮影

 福井市で1986年に女子中学生を殺害したとして懲役7年の判決が確定して服役し、再審公判を控えている前川彰司さん(59)が25日、静岡市清水区の集会に登壇した。死刑確定後に再審無罪となった袴田巌さん(88)の支援団体が主催。前川さんは、袴田さんの帽子をかぶって再審までの歩みを振り返り、再審の先人を「希望」と語った。

 前川さんの再審公判は名古屋高裁金沢支部で3月に予定されている。弁護団によると、検察側は新たな証拠を出さない意向を示しており、無罪の公算が大きい。ただ前川さんは「まだ無罪を得たわけではない」と話し、有罪とされた判決の消えない影響を語った。

 2011年にも再審開始が認められたが、検察の異議申し立てで取り消された経緯がある。現状の再審は「開かずの扉」だとし、冤罪(えんざい)があることを前提とした再審法の改正に期待を示した。

 逮捕から38年近く。「再審…

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