朝日歌壇

短歌時評 小島なお

 歌壇俳壇面で月1回掲載している、歌人の小島なおさんによる「短歌時評」。今回は昨年12月に出版された「石川信雄全歌集」を取り上げ、戦前のモダニズム短歌の魅力に迫ります。

 「短歌史の中で石川信雄は砂に埋もれていたコーナーストーンのような存在かもしれない」。『石川信雄全歌集』(書肆侃侃房)のあとがきはそう書き出される。編者は石川信雄の姪(めい)である鈴木ひとみ。

 人影のまつたく消えた街のなかでピエ・ド・ネエをするピエ・ド・ネエをする

   『シネマ』

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