28日投開票の衆院補欠選挙で、自民党は島根1区で敗れ、候補者擁立を見送った東京15区、長崎3区と合わせて全敗した。自民党静岡県連には、5月26日投開票まで1カ月を切った静岡県知事選への飛び火を懸念する声が高まる。裏金事件で離党した塩谷立衆院議員(比例東海)、女性問題で辞職した宮沢博行前衆院議員(同)に続く「トリプルショック」で、戦略の立て直しを迫られている。
大型連休に入り、5月9日告示の知事選への立候補を表明した元副知事の大村慎一氏(60)、前浜松市長の鈴木康友氏(66)、共産党県委員長の森大介氏(55)は、支援者回りや街頭演説で支持拡大への動きを本格化させた。その矢先の衆院補選の結果だった。
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「縁起が悪い」。自民県連の役員は全敗に落胆の色を隠せなかった。「岸田政権はもう求心力がない。初動が遅れ、危機管理ができていない」
県連は大村氏推薦を決め、党本部に上申している。連休前半は東部選出の国会議員や県議らが大村氏と街頭演説に立ち、支援態勢を強めてきた。
有力県議は「自民が前面に出るとメリットなのかデメリットなのか。支援者は『やりましょう』と言ってくれるが、無党派層が読めない」。ある県連役員は「党本部推薦は出さない方がいいかもしれない」と明かす。
特に懸念を強めるのは、宮沢前衆院議員が地盤にする静岡3区の磐田市や掛川市などの地域だ。地元の関係者は「宮沢氏の後の3区支部長をだれにするかなど、知事選だけじゃない状況になった」と戸惑う。
県選出の国会議員の1人は戦略立て直しを強調する。「与野党対決ではない。川勝平太県政の継承か否か、オール静岡を実現できるかだ」
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