写真・図版
会談に臨む安住淳・衆院予算委員長(左)と鶴保庸介・参院予算委員長=2025年3月12日午前9時28分、国会内、岩下毅撮影

 衆院の安住淳予算委員長(立憲民主党)と、参院の鶴保庸介予算委員長(自民党)は12日午前、国会内で会談し、高額療養費制度をめぐる政府の方針転換について、石破茂首相に説明を受ける予算委を衆院で開くことで合意した。新年度当初予算案が参院で審議される中、衆院で予算委を開くのは異例。鶴保氏は参院の存在意義を強調し、これを前例としないことを安住氏と確認した。

 会談では、13日に予算委を開き、高額療養費制度について、今年8月からの負担上限額の引き上げを見送った理由を首相に求めることを確認した。高額療養費制度をめぐり、首相は予算案の審議が参院に移って3日目の今月7日、今夏の負担上限額の引き上げを見送る方針を表明。予算案は参院で再修正されることが決まっており、与党が多数を占める参院で可決されれば、その後、再度衆院に送られる。

 会談後、鶴保氏は「衆院で決めたものについて修正権を持つからこそ参院の存在意義がある。(予算案の修正も)熟議の参院が出した結果だ。その所を衆院の方にもご理解いただきたい」と述べた。

 また、安住氏は政府の方針転換について「国民からも内閣の信頼性に疑問符がついているのでは」と指摘し、参院での審議中の衆院予算委の開催について、「本当に異例。戦後初めてと言っていいほどで、そういうことをせざるをえないぐらい重いことだと、首相には自覚してもらわないといけない」と苦言を呈した。

共有